こんにちは、UKです。
FUNDINNO134号案件のご紹介です。
今回の挑戦者は「リエールファクトリー株式会社」。
キャッシュレス決済が普及しつつありますが、いろんなアプリやクレジットカードがあるしキャンペーンがあったり無かったりで「結局どれが一番お得なの?」がわかりにくい状態です。
リエール社は各キャッシュレス決済の還元率を自動判断しくれるアプリを提供しています。
まさに市場ニーズにマッチしたソリューションです。
Contents
FUNDINNO案件情報をおさらい
まずは案件情報をざっくりおさらいしておきます。
案件概要
投資先 | リエールファクトリー株式会社 |
設立 |
2015年8月12日 |
資本金 |
7,467,750円 |
分野 | IT |
Webサイト |
https://lier-factory.co.jp |
募集開始日 | 2020年6月1日(月) 19:30~ |
最低投資金額 |
90,000円 |
目標募集額 | 10,080,000円 |
上限応募額 | 30,060,000円 |
IPO予定時期 | 2025年7月以降 |
株主優待 | なし |
特記事項 | アプリダウンロード数約4.3万件、ユーザー数約7万人 |
目標額は約1,000万円となっています。上限額までは約2,000万円の幅があるので申込開始後に進捗状況を見ながら投資検討できそうです。
同社は、各店舗での最高還元率となるキャッシュレス決済方法がわかるアプリを提供しています。Android版アプリは2018年5月にリリースし、約2年でダウンロード数が約4.3万件、ユーザー数も約7万人とすでに一定の利用者を獲得できている状態です。
アプリの良し悪しは別にして、こういうアプリにニーズがあるのは確かと言えます。
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時価総額
今回は新株予約権での資金調達となるため計算できません。
プロダクト・サービス
先ほども書きましたが、各店舗での最高還元率となるキャッシュレス決済方法がわかるアプリを提供しています。
最近はPayPay、楽天ペイやクレジットカードなど複数のキャッシュレス決済手段は使っている人も多いと思います。ただ、私もそうですが、「どれが一番得なのか」については良く悩みます。キャンペーン有無やキャッシュレスとポイントカードの組み合わせ可否など、店舗によっても違います。
そのような、今決済するならどのキャッシュレス決済が一番得なのかがわかるアプリが「AI-Credit」です。

アプリで自分が決済する店舗を探すと各キャッシュレス決済手段の還元率が一覧になっています。
実際にアプリをインストールしてみた感想
還元率一覧はわかりやすいが、店舗データのロード時間が少し長い。
- 地図上で店舗を探す際に、店舗情報のロード時間が少し長い。
- 支払いプラン(各キャッシュレスの還元率一覧)はわかりやすい。
- 店舗独自の決済方法別ポイント還元には未対応
私がよく利用している大型スーパーでは現金・QRコード決済だと会計金額3%オフサービスがありますが、残念ながらそれには対応していませんでした。
なお、Google Playではレビュー32件、★2.5です。
案件詳細や具体的な将来の事業推移予測は投資家限定の開示情報となっています。
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資金調達の目的はなにか
FUNDINNOの資金使途は以下の通りです。
広告宣伝費 | 476万円 |
開発費 | 310万円 |
FUNDINNOへの手数料 | 221万円 |
広告宣伝費 | 1,093万円 |
開発費 | 465万円 |
FUNDINNOへの手数料 | 439万円 |
ポイ活(ポイントを効率的にためる活動)層や節約に敏感な主婦層をターゲットにYouTuberとのタッグやInstagramを使ってユーザ獲得をしていくと記載があるので、今回の資金調達の主目的には活動費の確保と思われます。
マイルストーン
同社Webサイトによると事業はAI-Creditとコンサルティングとなっており、AI-Creditは有料契約数の2020年KPIがゼロとなっているのでどうやら2019、2020年の売上は全てコンサル事業の売上のようです。
2019年7月売上が約1.5億円ですが、2020年7月は約0.6億円と1億円近く下がっているのでコンサル事業は波が大きそうです。
また、2025年7月売上は約26億円ですが、有料契約数の2025年KPIは約5.8万店舗であり、店舗課金が月額980円だとアプリの2025年売上は約6.9億円です。となるコンサル事業で20億円近くの成長が必要となります。
現状のAI-Creditとコンサル事業だけでは難しそうです。
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VCなど主な出資者はいるか
以下のVC1社より出資を受けているとのことです。
IPOできたらどのくらいリターンが期待できるか
今回は時価総額がわからないため計算できません。
将来のリターン規模:新株予約権型のため不明
投資を検討する上で気になった点
期待できそうに感じたこと
キャッシュレス決済の課題にジャストフィットしたサービス
キャッシュレス決済をやっている方であればわかると思いますが、まさにこういうサービスが欲しいという要望に完全フィットするアプリと言えます。
不安を感じたこと
2025年に売上26億円の実現性
マイルストーンのところで書きましたが、有料契約数KPIが到達できたとしても2025年のサービス課金売上は6.9億円です。コンサル事業や新規事業を計画しているかもしれませんが、2025年売上26億円の到達シナリオがわかりません。
常に最新データを取り込むため運用コストが大きいのではないか
各キャッシュレス決済事業者が実施しているキャンペーンまで考慮して還元率を計算できたり、QRコード決済とクレジットカードの組み合わせ可否を自動で判断してくれるのはとてもいい機能です。ただ、逆に提供する側は常に最新データを取り込む作業を行っているのもしれません。そうなると常に運用に結構なコストがかかることになります。
現状アプリでは使いにくい
こちらもプロダウト・サービスのところで書いた通りです。個人的な感覚ですが私は使いにくいと感じました。Google Playでのレビュー評価も低いので大きく改善が必要と考えます。
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所感
市場のニーズにマッチしたアプリだと思います。あとは地図上で移動した際にもう少しロード時間が短いとストレスなく利用できそうです。どうしても店舗データを読み込む関係でロード時間がかかってしまうのかもしれませんが…
ただ、今回に限らずですが、アプリを提供してサービス課金で稼ぐビジネスモデルは、単価が安いため複数のキラーアプリが無いと数十億の売上にしていくのは難しいのではないかと思いました。
今回の案件は投資家も身近に感じている課題へのアプローチであり、どのように評価されるか注目です。


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